インスタンスエリア

インスタンスエリア

 MMORPG開発者の間では,ゲームの世界をプレイヤーに分け隔てなく供給するか,それとも即時的に小さく区切られた世界を作り出して遊ばせるのかは,オンラインゲームのデザインを決定していくうえで重要なポイントの一つである。
 前者は,「Ultima Online」以来主流を占めてきた"パーシステント・ワールド”(Persistent World / 恒久的世界),後者は「Anarchy Online」以降ポピュラーになりつつある,サーバーの一区画を切りとってミッション専用の小さな世界を作り出し,ほかのプレイヤーに邪魔されずに仲間だけで遊べる場所(いわゆるPrivate Area)にする"インスタンシエイテッド・ワールド"(Instantiated World / 即時的世界)と呼ばれている。

[GDC#15]MMORPGの開発者達がゲーム世界の作り方で大論戦 - 4Gamer.net

通常のMMORPGでは、一つのゲーム内世界やそのマップを全てのプレイヤーで共有するのが一般的である。これに対して、特定のマップにおいて、プレイヤーやそのグループごとのプライベートにプレイできる空間を作り出す方式、またはその空間をインスタンスエリアインスタンスゾーン)と呼ぶ。ゲームごとにその名称は異なるが、従来のMMORPGに対して、部分的にMOの手法を取り入れる概念と言える。

この方式では、プレイヤーがそれぞれの空間でプレイできるようになることで、一つの世界で多人数が同時にプレイするMMORPGにおいて起こりがちな、ゲーム内リソースモンスターやボスなど)の取り合いや迷惑プレイヤーの脅威といった問題を回避することができる。また、他のプレイヤーの影響を受けないことから、ゲーム進行や演出といった面での自由度が増すことになる。これにより、「キャンプ」に代表されるルーチン的な狩りから脱し、よりストーリーを重視した「冒険」としてゲームを楽しむことができるといったメリットがある。

一方で、インスタンスエリア的システムは、他のプレイヤーの存在をゲーム進行上の「異物」として排除する思想とも言える。よって、「見知らぬプレイヤーとの交流」といった点にMMORPG醍醐味を見出す観点から、その問題性が指摘されることもある。どういったシステムが望ましいかは、今後もMMORPGの開発とプレイを通じて議論が行われていくだろう。